ひねくれてtonight 〜ひねくれサラリーマンによる映画レビューブログ〜

今夜もサラリーマンが詭弁を垂れる、皆さんはそれを読む。It’s win-win!!

かんべえです

百田尚樹 著 「夏の騎士」のレビューです
この小説は
「大人が夏休みに読むべき自分見つめなおしストーリー」です

本作は小学6年生の主人公の一夏の思い出を描いた作品
友達とともに小さな出来事を通して「勇気」を手に入れていく物語です。

表紙+冒頭の6行で完全に引き込まれます。


夏の騎士

勇気それは人生を切り拓く剣だ。
ぼくが勇気を手にしたのは昭和の最後の夏だ。あれから三十一年の歳月が流れた。平成は過ぎ去り令和となり、十二歳の少年は四十三歳の中年になった。
今もどうにか人生の荒波を渡っていけているのは、ほんのわずかに持ち合わせた勇気のおかげかもしれない。

主人公たちは小学生ですが、これは私たち大人に向けられた物語でしょう
この小説に対してあらすじのようなものを説明するのも無粋なのですが、軽く触れつつ私の感想を書いていきますね

主人公(ヒロ)と親友二人は冴えない3人組で、この一夏の出来事が無ければこの先の人生も細々と生きていくことになったかもしれませんが、仲間と一緒に努力することを学び、いろいろな登場人物と関わることで少しずつ成長していったことで、人生を自分の力で切り拓いていくことを覚えたのでした。

物語は
・主人公たち3人組
・壬生紀子
・有村由布子
等のクラスメイトの他
・妖怪ババア
・新聞配達のおじさん
等が良い味を出していて主人公たちの成長に一役買っています。

いくつかの出来事が同時進行で進んでいき、終盤にそれらが順に解決(終息)していく形です

①模試100位以内を目指して勉強
騎士団の「レディ」有村さんの願いで、彼女のために中学受験者用の模試で県内100位以内を目指して勉強をするという主人公たち。
しかしもともと勉強が苦手どころかまともに机に向かうことも出来ない彼らの勉強はなかなか進みません。「3人で勉強する」ことで楽しく取り組めることを発見する、など、大人からしたら当たり前のことも彼らが初めてそれに気づいた時の楽しげな描写は少年時代を思い出させられますね。

②児童失踪(殺害)事件の犯人捜し
もともとこれを目標に騎士団を結成したわけですが、なかなか手掛かりがつかめず難航します。
ヒロは何人か怪しい大人を容疑者としてピックアップしますが、調査の過程でその容疑者たちは見かけによらず皆良い人たちであることに気づいて行きます。少年たちは実際にその人たちと接することで「見た目で勝手に悪人扱いしていたこと」を恥ずかしく思い、少し大人になるのでした。
少年たちはその点素直で、私たち大人も見習わなければならないと感じます。シンプルなメッセージですが、
・見た目で決めつけない
・自分たちの過ちは素直に認めて改める
など、大人が忘れがちなことをストレートに伝えてくれています。


③学芸会での出し物~壬生紀子との恋~
この物語のヒロインは壬生紀子。有村さんではなかったと気づかされるのは物語の中盤です。
彼女はクラスの中でもはみ出し者で、クラスメートから嫌がらせを受けて学芸会の「ヒロイン」役にさせられてしまいます。ヒロは自分が「王子役」に立候補することで咄嗟に彼女を庇います。その時は依然自分を助けてくれた彼女をなんとなく庇っただけでしたが、ヒロが小さな勇気を手に入れたシーンとして、作中では結構好きな場面です。
 王子役とヒロインはダンスシーンがあるため、二人で練習の日々が始まります。これを通して二人の友情は深まり、いつの間にか恋心に発展するというこれまたシンプルな展開です。


①~③は終盤に向かって盛り上がっていくためそれぞれのお話の結末がどうなるのか、気になってどんどん読み進めてしまいますね。
これらの出来事を通して少年ならではの主人公たちの素敵な部分が描かれます

中でも一番グッとくるのは主人公たちの友情ですね
お互い欠点を抱えている友達を決して見下したり見放したりせず、良いところは認めあい、足りないところは補い合う姿から友情というのは損得で選ぶようなものでは無いと改めて気づかされます。最近は何でも「人脈」だとか「プライベートの充実」だとかいって「友達を選ぶ」ことが良いことであるような価値感が蔓延していますが、子供の頃はそんな卑しいことは考えていなかったと思うし、一緒に過ごした時間の長さや濃さが大切であって、相手の能力で測るものではないですよね

また、物語のテーマである「勇気」ですが
ヒロインである壬生紀子は作中最も「勇気」のある人物でしょう
クラスでいじめられても仲間外れにされても、負けない、信念を曲げない真っすぐな心を持っています。見た目やイメージでは彼女の内面は分からず、クラスメートは皆「容姿端麗」な有村さんを慕うわけですが、壬生はそれも見せかけであることに気づいていたし、それに気づかずに彼女の周りに集まるクラスメート達とも群れるつもりはなかったのですね。
③の展開でクラスメートから陰湿な攻撃を受けてもそれに負けずに結果を出すことでクラスメートたちを見返した彼女の姿を見て、ヒロたちは勇気というものを教えてもらったのでした。




少し著者の百田尚樹さんについて触れておくと、彼はこの作品を最後に小説家を引退すると宣言しており、本作にかなり思い入れがあるようで執筆中もツイッターで繰り返し作品について触れています。
中でもヒロインについては「作品史上最高のヒロイン」「私自身も惚れたほどの魅力的なヒロイン」と評しており、読後はその意味がよく理解できます。

ちなみに読んでいて主人公の少年の姿から百田さんを重ねてしまったのは私だけでしょうか?(;^_^A
少年っ気が妙にイメージに合うんですよね


大人になって勇気を忘れてしまった私たちも、この小説を読んで明日から少しの勇気を自分にブレンドし直してみたら、世界も少し違って見えるかもしれませんね

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「アルキメデスの大戦」を見てきました
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注目の俳優
・菅田将暉(ファン)
・柄本 祐(顔が好き)
・國村 隼(シンゴジラ以来のファン)
・田中 泯(最強の世界観製造機)


太平洋戦争前の帝国海軍を舞台に
「戦艦大和を製造したい勢力」 vs「戦艦反対派(空母推進派)」の論戦を描いている
櫂直(菅田くん)達は反対派で、戦艦大和建造にかかる見積もりが虚偽である事を立証するために奔走します。
「数学者」という設定ですが作中では造船設計学について一晩で理解したり、見よう見まねで戦艦の図面を描いてしまったりと明らかに「エンジニア」としても天才的素質を持っています。

櫂直は序盤は数学にしか興味がありませんでしたが初めて戦艦を間近で見てその「美しさ」に魅了されます。戦艦の図面を再現する時の真剣な表情、時折浮かべる笑み、これに共感出来るエンジニアは多いですよね

終盤は得意の数学を駆使して論劇を展開、理論で相手をねじ伏せる様がスカッとします。
それにしても菅田くんの演技もさることながら田中泯の世界観は相変わらず素晴らしい
「龍馬伝」の吉田東洋役の時も圧倒されましたが、彼は会議室内で戦ったら地球人最強なんじゃないか?

櫂直は彼に勝つことが出来たのか、映画を見てのお楽しみということで
予告編です↓






以下、雑談(ネタバレ含む
あまりミリタリーは詳しくないんですが、歴史は好きなので少し触れておくと、
当時の日本は空母の重要性に気付きつつも古い概念である「大艦巨砲主義」に固執する人達も多く、巨費を投じて時代遅れとも言える「戦艦大和」を建造。帝国海軍のシンボルとして軍や国民の心の支えとなるも、巨大戦艦であるが故に出撃にも莫大なコストが掛かることなどから、結局活躍する機会もないまま沈められてしまった哀しき戦艦、それが大和。
物語終盤で田中泯がそんな戦艦達の哀しい運命を予期しながらも、彼らに役割を与えようとしていたことが明らかになり、この展開が映画に深みを与えてくれています。

偶然にも先日長崎に旅行に行き三菱重工の造船ドッグなどを見る機会がありました。
私は本業は建築設計士で、船舶にもおそらく建物と通じる物があると思っています。
巨大な建造物ならではの迫力、達成感などは他のものづくりでは体験出来ない物だと思っていますし、自分の計算を元に図面を構築していく楽しさには鑑賞中もとても共感しました。
櫂直のように設計を楽しみ、平山中将(田中泯)のように自分の作る物に愛情を持つことが出来たら僕らの仕事も楽しくなるのになあ

菅田将暉さんの他作品はこちら↓




公式HP↓

かんべえです
スパイダーマン~ファーフロムホーム~を観てきました

トム・ホランド主演シリーズの第2弾
アベンジャーズシリーズとストーリーがつながっているため1作目(ホームカミング)との間に
・アベンジャーズ~エンドゲーム~
・アベンジャーズ~インフィニティウォー~
等が挟まっており、ストーリーも連続してます。が、アベンジャーズシリーズを観ていない人でも十分楽しめますね。

上記アベンジャーズ2作により世界中でだいぶと混乱が起きたはずでしたが、その辺りはさらっとナレーション(正確にはTV番組)により上手く片付いており、本作はシンプルなヒーロージレンマ系映画となっています。

本作のピーターは思春期真っ只中でヒーローするよりもヒロインのMJとの恋を成就させることに夢中。研修旅行先でトラブルに巻き込まれることも快く思っておらず他のヒーローに頼んでくださいとか言っちゃったりする「葛藤する碇シンジ君」的な心理状態です。(もっと軽いけどね)

アイアンマン(トニースターク)の存在がストーリー上かなりふんだんに盛り込まれているためアイアンマンのメカニックアクションが好きな方はその続編みたいな感じで楽しく鑑賞できると思います。

個人的にスパイダーマンはトビー・マグワイア主演の初代3部作が傑作だと思っていて、その後の作品はまた別物としてみてます。初代はピーターの葛藤やヒロイン、親友のハリー、敵キャラ勢(グリーンゴブリン、ドクターオクトパス、サンドマンなど)の人間性、心理がとても切なく描かれていてヒューマンドラマとしての要素が濃い作品。その後のマーベルコミックシリーズはアクション要素に振ってると思ってるので初代スパイダーマンに匹敵する作品は自分の中では未だ出てきてないっす。そのうちこの映画についてのレビューはじっくり書きたいですね

現場からは以上です。




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