映画 Diner のレビューです。
前半は概ねネタバレなし
後半はネタバレありで感想を書いていきます。映画をご覧になった方は後半まで是非
【概要】

藤原竜也と蜷川実花監督が初タッグを組み、平山夢明の小説「ダイナー」を映画化。元殺し屋の天才シェフ、ボンベロが店主をつとめる殺し屋専用の食堂「ダイナー」。日給30万円の怪しいアルバイトに手を出したばかりに闇の組織に身売りされてしまった少女オオバカナコは、ボンベロに買われウェイトレスとして働くことに。ボンベロが「王」として君臨するダイナーには、全身傷だらけの孤高の殺し屋スキンや、子どものような姿をしたサイコキラーのキッド、不気味なスペイン語を操る筋肉自慢の荒くれ者のブロら、ひと癖もふた癖もある殺し屋たちが次々とやって来て……。ダイナーの店主ボンベロ役を藤原、物語の鍵を握る少女オオバカナコ役を玉城ティナが演じるほか、窪田正孝、斎藤工、小栗旬、土屋アンナ、奥田瑛二ら豪華キャスト陣が殺し屋役で出演。

(映画.comより引用)

注目はやはり
・藤原竜也の演技。キャラクターをどこまで魅力的に演じてくれるか
・蜷川実花監督の世界観
ですかね
あと個人的には
・窪田正孝くんの演技力
にも期待してました。

藤原竜也さん演じるボンベロは裏社会の中でもさらに異質な存在である「殺し屋達」に料理を振る舞う天才料理人。
多くの殺し屋達が足繁く通うこと、彼らに一目置かれる存在であることなどから、ボンベロの料理人としての類い希なる腕前が見て取れます。

ヒロインはボンベロの店に売られてきたオオバカナコ
人から必要とされず社会に自分の居場所を見出すことが出来なかったカナコがボンベロのもとで殺し屋達と関わっていくことで成長していきます。

ボンベロは殺し屋一人ひとりに彼特製の料理を振舞います。「誰のために料理を作るのか」にこだわり、それぞれ趣向やトラウマを持つ殺し屋達にとって「必要な料理」を作るのです。

作中で最も魅力的に描かれている殺し屋と言っても良いのはやはり「スキン」
スキンは子供の頃母親が作ってくれたスフレに強い思い入れを持っており、その味を再現してくれたボンベロの店に通い詰めています。
哀愁漂う孤高の殺し屋スキンは窪田正孝さんが演じています。
スキンは普段心優しい青年で、不遇なカナコにも親切に接してくれます。ボンベロも彼に対してはどこか親身で、二人のやり取りを通して殺し屋同士の友情が描かれています。スキンの辿る切ない運命はこの映画に彩りを添えてくれていますね。

ボンベロはカナコに対しては冷徹な振る舞いをしていますが、スキンや愛犬の菊千代に対しては心を許しているらしく、物語が進むに連れて彼の人間性が少しずつ明らかになっていきます。

蜷川実花監督の表現力を駆使して、ボンベロや殺し屋達の流儀、友情、闘争、狂気、哀愁が止めどなく描かれる作品。自分もダイナーにいるかのような臨場感の中で楽しめますね
特に登場人物の心境をよく表す音楽、僕たち映画を見ている側のテンションと上手くマッチしていて楽しくなりますね
予告編↓



ここからネタバレ含む感想です↓

やはり目を見張るのは窪田正孝さん演じるスキンですね。
カナコとスキンの最初のやり取りを見ると彼は至って常識的な人間に見えます。武田真司さん演じるスパニッシュの殺し屋の変態ぶりと上手く対比されてますよね。





しかしスフレを食べている時の興奮を隠し切れない様子から彼も闇を抱えている事が分かります。あの興奮している自分を抑えきれずに夢中でスフレを食べる姿、スフレに異物が入っていた時の怒りとも失望とも言えないあの表情、窪田さんの狂演が際立っています。
スキンは終始良いヤツだっただけに彼の最後は本当に切ない。
自分に優しくしてくれたスキンに完璧なスフレを食べさせたいと考えたカナコも、
スキンの狂気を理解して決して完璧なスフレを食べさせようとしなかったボンベロも、
「母との思い出の中にいる少年のスキン」と「殺し屋としての現実の自分の姿」の狭間で苦しみながら生きていたスキンも、
誰も悪くないのに、スキンは完璧なスフレを食べられた事で母との思い出の中から戻ってこられなくなり、狂気の中に沈んでしまいました。
「望みが叶わない事で生きる希望を持ち続けられるヤツもいる」
カナコには想像も付かなかった哀しき人間の価値観、それを理解した時カナコはボンベロの背負っているものの重さを理解したのでしょう。「殺されても仕方がない」と言いつつも、それ以上に「ボンベロにその道を教わりたい」という気持ちが勝り、ダイナーで自分の役割を果たそうと決意し、ボンベロを説き伏せました。

この一件でボンベロはカナコに認められ、二人に信頼関係が生まれた所で物語は終盤の幹部会へと進みます。その前のキッド事件で菊千代を庇った事で既に打ち解けていた感は有りましたが、本当の意味で信頼が生まれたのはここでしょうね。

幹部同士の闘争の末、生き残ったブレイズが組織のトップに付くことになりました。ボンベロはこれまでの働きを認められ、ダイナーを続けることを許されますが、「組織の裏を知ってしまったカナコは始末する」とブレイズ。ボンベロはとっさにカナコを庇いブレイズら組織のメンバー達とのドンパチでクライマックスですね。
アクション映画では無いので格闘シーンは王道な感じとはどこか違うのですが、蜷川監督節の「華麗アクション」でクセがありつつもなかなか見ごたえがありました。

ボンベロとカナコが別れるシーンでのとっさのキスは何故だか心が踊りましたよね。

「その要素ちゃんと入れてくれるんだ〜」みたいな

このシーンのお陰でラストのふたりの再会シーンにも感情移入でき、後味まで完璧な映画になっています。

それにしても菊千代あの見た目だけど可愛すぎるよ最後生きててくれて良かった

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

映画『Diner ダイナー』Original Soundtrack [ Shinichi Osawa ]
価格:2700円(税込、送料無料) (2019/8/16時点)